VOL.9 富士・夕景
富士・夕景
 晩秋から初冬にかけて、鶴見川沿いは一気に澄んだ空気に包まれて、遠景を望むことが出来る。そしてその中でもひときわ目を引くのが、もちろんこの富士山である。新横浜付近、第3京浜の手前辺りで丹沢方面に目をやると、このように大山の右横にちょこんと頭を出すのである。

 このまましばらくはその姿を拝むことが出来るが、残念ながら鴨居を過ぎた辺りから見えなくなってくる。もっともその頃には辺りも真っ暗で見ようにも見えないのだが・・・。

 富士山というのは特別な存在だ。どこへ行っても気が付くとその姿を探している。そして誰にでも見てすぐ分かる形であるから、子どもも発見すれば「富士山だ!」と歓声を上げる。いや、大人になってもこの歓声は変わらない。富士山の雪がどんどんと溶け出し、地肌が見えてくるとやがてその姿も見えにくくなる。その頃に、「また5合目まで登れるぞ。」と思ったら、立派な坂バカである。