タイヤの話3
 今や誰に聞いても「通勤するんだったらスリックタイヤに替えなよ」と言う。でも本当にスリックが一番いいの?
☆本当にいいのかスリックタイヤ?☆
 「通勤・街乗りにはスリックタイヤ」−−今や常識になった感があるこの言葉。うめ吉も全く異論はない。実際、長年MTBにスリックタイヤという組み合わせで自転車通勤してきた。しかし、あえて言えば、これはMTB本来の姿ではない! そしてもっと言えば、スリックよりもエアボリュームたっぷりのブロックタイヤの方が快適に通勤できるということもある。これは実感として行き着いた結論だ。その結論に至ったのは・・・。

○片道21kmの通勤路
 うめ吉の通勤ルートは片道約21km弱、特にこれといった坂道はなく、そのほとんどが川沿いの平坦なサイクリングロードだ。そして通勤路の3分の1近くが未舗装。砂利道あり、コンクリートの割れ目のような道あり、結構ハードだ。そして車道は悪名高き渋滞個所を含む県道。数珠繋ぎの車の間をぬって走る。この通勤ルートになってからはシクロクロスのLUPOを買って使用していることは別ページでも述べた。すでにLUPOでの通勤距離も2500kmを越えたとき、ふとスタンプジャンパーで行ってみようと思い立った。

○MTB+スリックでの走行感
 実は通勤に使っている道を全部ではないが、スリックタイヤ(パナレーサーのパセラ、シュワルベマラソン等)とスタジャンの組み合わせで何度か走っている。その時の印象はとにかく「固い!」。未舗装路の振動がもろに伝わり、体は小刻みに揺れ、不快極まりなく、疲労も相当なものだった。スペシャのM2フレームは固いという評判だったので、MTBといえどもこんなものなのかと愕然とした。そしてクロモリのLUPOを導入したとき、その700Cのホイールと32ミリのセミスリックタイヤ、クロモリフレームのおかげで、「なんだ、スタジャンよりも全然楽じゃん!」と思ったものだった。つまりMTBよりも700Cのクロモリシクロの方が悪路でも楽だと思ったのだ。図式化すると下記のようになる。

クロモリ700×32CのLUPO>スリックタイヤ装着のMTB、スタンプジャンパーM2FS

しかし! それは間違っていた・・・。

○やはり走行感を決めるのはタイヤ!
 さて、久しぶりに通勤に駆り出したMTB、スタンプジャンパー。付いていたマラソンは奥さんのMTBに換装し、幅2.1インチのクロカンレース用ブロックタイヤに戻しておいた。これで出勤。さぞや路面抵抗が大きくてスピードも出ず、疲れるだろうと思っていたが、なんと片道でLUPOと比べても5分くらい遅れただけ。もちろんその時の信号待ち等の状況の違いがあるので単純比較は出来ないが、それを差し引いてもそれほど遅さは感じなかった。そして何より気楽さがいい。いざとなればどこでも走れるという安心感がもたらす心理面での効果は抜群。危険な県道を走るからこそ、これは大事な要素である。

 そして、何と言っても一番大きな効果はやはり凹凸のある道や未舗装路だ。それはどのくらいのレベルから違いが出るかというと、
タイル張りの歩道を走るときからしてもう違う。マラソン装着のシクロだと路面から伝わる振動が結構大きい。ところがブロックタイヤ装着のMTBはほとんどその振動を感じない。未舗装路に入るとその違いはさらに劇的だ。LUPOだとペダルが踊る感じで上下にポンポン跳ね上がり、結果として足と腕がどんどんしんどくなるような道でも、座ったままそれほど上下動を感じずに進める。そして何と言ってもペダルがまったく踊らない。常にペダリングで真円を描くようだ。久しぶりに乗って、感動した。結局、LUPOよりも疲れずに走ることが出来たのだ。つまり図式化すると下記のようになる。

ブロックタイヤ装着のスタンプジャンパー>LUPO>スリックタイヤ装着のスタンプジャンパー

 固いと言われるM2フレームでも、まったくその固さは感じなかった。

○まとめ
 もっとも、これは個々人の通勤ルートによってだいぶ違いが出るだろう。うめ吉の場合はあくまでもアップダウンが少ないこと、未舗装路が多いこと、渋滞の激しい県道を通るという要素で結果的にブロックタイヤの方が楽に走れるということなのだ。舗装路ばかりの平坦路だったらスリックの方が快適なのは言うまでもない。そしてきつい登りがあるのだったら、700Cに勝るものはないだろう。MTBで坂道を登るのは、遅いし疲れるしで本当につらい。

 しかし一つはっきり言えるのは、
MTBはタイヤが(も)命であるということ。そしてブロックタイヤを履いてこそMTBなのだということである。ブレーキのクリヤランス一つとっても、MTBがブロックタイヤを履くのを想定して作られていることは明白だ(もっとも最近は700CMTBなど、街乗りを意識したMTBも出回ってきたが・・・)。ということはブロックタイヤでないと本来の性能を発揮できないということになる(そもそも山用だから当たり前か)。そしてこれはどうか分からないが、MTBはブロックタイヤを付けることが前提でフレーム設計がされているのではないだろうか。

 何度も言うが、うめ吉はMTBにスリックを付けるなと言っているのではない。ここまで読めばお分かりになると思うが、
通勤ルートの状況によってはブロックタイヤでこそMTBのパフォーマンスが最大限に発揮できることがあるということを言いたいわけだ。

 そしてこれも何度も言うが、やはり自転車の走行感や性能を左右する一番の要素は、
タイヤであるということだ。以前はもっぱらスリック仕様のMTBばかり通勤に使っていた。そして700Cで2500km通勤し、その後同じルートをブロックタイヤ仕様のMTBで走ったという経験から痛感したことを書いたまでである。もちろん、シクロにブロックタイヤを付ければまた走行感はグッと違ったものになるだろう・・。たっぷり空気を入れてクッション性を増す、そして走行ルートに応じたエアー調整をすれば完璧だ。

 何だかんだ言っても根はMTBer、やっぱりちょっとひいき目ですかね・・・(^^;)
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